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Windows11でPythonが動かない?「コマンドが見つかりません」を根絶するPATH設定術

「よし、今日からPythonを始めるぞ!」

期待に胸を膨らませ、Windows11にPythonをインストール。意気揚々とコマンドプロンプトを開き、「python –version」と入力した瞬間、画面に表示されたのは「’python’ は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。」という無情なメッセージでした。

あれほど楽しみにしていたPython学習が、まさか最初のコマンドでつまずくなんて……。私はその時、パソコンの前で固まってしまいました。「なぜ?」「インストールは成功したはずなのに…」「もうダメかもしれない…」と、焦りと絶望感が押し寄せ、喉の奥がキュッと締め付けられるようでした。

ネットで検索しても断片的な情報ばかり。英語のフォーラムを読み漁り、何時間も無駄にした挙げ句、解決の糸口すら見つからない。このままじゃ、せっかく始めたPython学習を諦めてしまうかもしれない。家族に「プログラミング始めるって言ってたのに、もう挫折?」なんて思われたら、恥ずかしくて顔向けできない。そんな孤独感と無力感に苛まれました。

なぜ「コマンドが見つかりません」は起きるのか?

このエラー、実はPythonが正しくインストールされていないわけではありません。問題は、あなたのパソコンがPythonの「居場所」を知らないことにあるのです。

例えるなら、あなたは新しい友達(Python)ができたとします。その友達は確かにこの街(PC)に住んでいる。でも、住所録(環境変数PATH)にその友達の住所が載っていないため、郵便屋さん(コマンドプロンプトやPowerShell)が「そんな住所の人は見つかりません!」と困ってしまう状態なのです。

パソコンの環境変数「PATH」とは、コマンドプロンプトやPowerShellでコマンドを入力した際に、システムが実行ファイルをどこから探してくるかを指定する「道案内リスト」のようなものです。Pythonの実行ファイル(python.exe)の場所がこのリストに載っていないと、システムは「どこを探しても見つからない!」とエラーを吐き出すのです。

【Windows11】もう迷わない!PATH設定の完璧ガイド

では、この厄介な「コマンドが見つかりません」エラーを根絶し、スムーズなPython学習への道を切り開きましょう。私が何時間も格闘して見つけ出した、最も確実なPATH設定術を伝授します。

Step 1: Pythonのインストールパスを確認する

まず、Pythonがどこにインストールされているかを確認します。通常、以下のいずれかのパスにあります。

1. C:\Users\あなたのユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\PythonXX (XXはPythonのバージョン、例: Python312)

2. C:\PythonXX (手動でインストール先を指定した場合)

もし見つからない場合は、エクスプローラーで「Python」と検索するか、Pythonのインストーラーを再度実行し、「Modify」を選択してインストールパスを確認してください。

Step 2: 環境変数設定画面を開く

1. Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「sysdm.cpl」と入力してEnterキーを押します。

2. 「システムのプロパティ」ウィンドウが開いたら、「詳細設定」タブをクリックします。

3. 「環境変数」ボタンをクリックします。

Step 3: PATHにPythonのパスを追加する

「環境変数」ウィンドウには、「ユーザー環境変数」と「システム環境変数」の2つのセクションがあります。通常は「ユーザー環境変数」のPATHを編集します。

1. 「ユーザー環境変数」セクションで「Path」を選択し、「編集」ボタンをクリックします。

2. 「環境変数名の編集」ウィンドウが開きます。

3. 「新規」ボタンをクリックし、Step 1で確認したPythonのインストールパス(例: C:\Users\あなたのユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python312)と、その中のScriptsフォルダのパス(例: C:\Users\あなたのユーザー名\AppData\Local\Programs\Python\Python312\Scripts)の両方を追加します。

  • 重要: Pythonの実行ファイル(python.exe)があるディレクトリと、pipなどのスクリプトがあるScriptsディレクトリの両方を追加するのがポイントです。

4. 追加したら、「OK」をクリックしてすべてのウィンドウを閉じます。

Step 4: 設定が反映されているか確認する

すべてのウィンドウを閉じたら、必ず新しいコマンドプロンプトまたはPowerShellを開き直してください。古いウィンドウでは設定が反映されません。

新しいコマンドプロンプトで、以下のコマンドを入力してみましょう。

python --version

今度は、Pythonのバージョン情報が表示されるはずです。この瞬間、「やった!」「ついにできた!」と、あの時の私のように心の底から安堵と達成感が込み上げてくることでしょう。あの日の絶望が、一気に希望へと変わる瞬間です。

インストール時の「Add Python to PATH」の重要性

「こんな面倒なこと、インストール時に自動でやってくれないの?」と思ったかもしれませんね。実はPythonのインストーラーには「Add Python to PATH」というチェックボックスがあります。これをチェックし忘れると、今回のような手動設定が必要になります。

プログラミング学習の初期段階で、この「PATH設定」は多くの初心者がぶつかる最初の壁です。しかし、この壁を自力で乗り越えた経験は、これからの学習において大きな自信となり、トラブルシューティング能力を養う貴重な体験になります。

迷えるPython学習者へ、最後に

Python学習は、まるで壮大な冒険の旅です。最初の村を出てすぐに、見慣れないモンスター(エラー)に遭遇して、心が折れそうになることもあるでしょう。しかし、その一つ一つを乗り越えるたびに、あなたは確実に強くなり、知識という強力な武器を手に入れます。

今回のPATH設定は、その冒険の序章に過ぎません。この小さな成功体験が、あなたのPython学習を加速させ、やがては想像もしなかったような素晴らしい世界へと導いてくれるはずです。もう「コマンドが見つかりません」とは言わせません。さあ、あなたのPythonライフを、ここから本格的にスタートさせましょう!